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年金の繰上受給のメリットについて

 日本の公的年金は、原則として65歳から老齢基礎年金や老齢厚生年金を受け取れる仕組みになっています。しかし、制度上は60歳から70歳までの間で受給開始年齢を選べ、65歳より早く受給を開始することを「繰上げ受給」といいます。繰上げ受給を選択すると、受け取れる年金は一定割合で減額されますが、早くから年金を受け取れるという大きな利点があります。今受けとる1万円と5年先に受けとる1万円の値打ちは同じではありませんね。

1. 早くから安定収入を確保できる

 やはり年金の繰上げ受給最大のメリットは、早くから安定収入を確保できる点です。たとえば、定年退職後に再就職が難しい場合や、健康上の理由で働けない場合、または貯蓄が十分でない場合、65歳まで収入が途絶えることは大きな不安要因です。そうしたときに60歳から繰上げ受給を開始すれば、たとえ年金額が減額されたとしても、安定収入を得ることが可能です。

2. 長生きできるかどうかの不確実性に対応できる

 人は誰しも自分の寿命を予測できません。繰上げ受給のもう一つのメリットは、寿命の不確実性に対応できることです。もし仮に自分が平均寿命よりも短命であった場合、65歳からの受給を選ぶと、実際には受け取る総額が少なくなってしまう可能性もあります。一方で繰上げ受給を行えば、早期から受け取りを開始できるため、生涯で受け取れる総額が結果的に多くなる場合もあります。

3. 働き方の自由度が高まる

 年金収入を早く得ることで、働き方の選択肢も広がります。たとえば、定年後にフルタイムで働かなくても、繰上げ受給で得られる年金をベースにしながら、パートや時短労働を組み合わせて、経済的な安定を維持できます。これにより、自分の生き方にあったライフスタイルを築くことが可能です。特に趣味や地域活動、ボランティアに時間を割きたいと考える方にとっては、繰上げ受給による年金収入が安心材料となり、より自由度の高いライフスタイルを選択できるようになるのではないでしょうか。

4. 貯蓄の取り崩しを抑えられる

 退職後の生活において、貯蓄をどのように取り崩すかは大きな課題です。65歳まで年金がない場合には、退職金や預貯金を取り崩して生活費を賄わなければならず、老後の資産形成に不安が残ります。繰上げ受給を活用すれば、年金という定期収入を早くから得られるため、貯蓄の取り崩しを抑えることができます。結果として、老後の資金寿命を延ばし、安心して生活設計を立てられます。

5. 精神的な安心感の獲得

 年金の繰上げ受給は金銭的なメリットだけでなく、心理的な側面でも効果があります。65歳まで「収入ゼロ」の状態で過ごすことは、多くの人にとって不安です。その点、60歳から一定額でも収入を得られることは、精神的に大きな支えとなります。「毎月必ず年金が振り込まれる」という安心感は、生活の安心感を高め、心の余裕を生み出します。これは金額にかかわらず、生活の質を高める大切な要素です。

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